2012年4月8日日曜日

やっと桜の季節と「ドライブ」

四月に入って一週間経とうかというころ、やっと桜の花の季節をむかえます。
いいもんですな、桜ってのは。
夜桜見物も雰囲気があり好きですが、
白っぽいライトに照らされている桜は何色なんだか、ちーともわかりません。
薄いピンク、桜色が映えるライトだといいですな。

あまりに美しい桜を観てその樹の下には屍体が埋まっている、
と思わないと精神の平安が保てないという作品を書いた作家がいます。
繊細でワイルド、カミソリ的な文章でした。
チョイとひねくれた作品ですが共感をおぼえる作品ですな。
自分より優れた、秀でた物への憧憬が劣等感に変わる時
こんな風にネガティブな発想をするのかもです。
生き物すべては表面的な美しさが全てではありませんからな。
私もいい年こいてるくせに物わかりのいい事は言えませんで、
この作品(梶井基次郎の櫻の木の下には)にどこか納得するのでございます。

はい映画。
「ドライブ」
カンヌ映画祭の監督賞を取ったという作品。
ナントカ賞作品と謳った映画の中には「え〜そうか〜」ってのもありますが
これは受賞するにふさわしいと思える作品でした。

どことなく影のある映像は、
登場人物やそれぞれの物語にある暗さを表しているようです。
明るい日差しの中のシーンでさえ何となく影を感じます。
主役のセリフや表情が少ない中、
それで魅せようって演技がかえって映画をソリッドに仕立てている。
この若い主役、ライアン・ゴズリングはこれからも注目でしょうなあ。
謎めいた主人公が繰り広げるバイオレンスたっぷりのハードボイルド映画です。
それだけではなく、頽廃した中に主人公が見つけた、ただ一つ信じた愛もあります。
その相手を演じた女優がキャリー・マリガン。
この人も注目すべき女優さんだと思います。(単純に私が好きなだけだけど)
カーアクションもありますがそんなスゴくはない。
この映画の全体に漂うの空気感が良いのかな。