2011年10月15日土曜日

浄瑠璃と「ツレがうつになりまして。」

10月に入ってすぐ、国立劇場で邦楽を聴く機会を得ました。
日本人ミュージシャンのくせに邦楽については...。
今回聴く事ができたのは浄瑠璃など。
浄瑠璃と言えば上方の人形浄瑠璃のことを指すのかと思っておりました。
ここから先は、受け売りでございます...。

「浄瑠璃」は三味線を伴奏の基本とした、物語を語る音楽。
一方、物語性は薄く、例えば男女のあるときの心情などを歌ったものを「唄もの」。
でも時代とともにそれぞれが影響し合い発展し、あるいはそれぞれが融合する。

17世紀、文化の中心地である上方で生まれた音楽が、
時を経て都市らしくなった江戸へと下ってくる。
上方では義太夫節、一中節などが歌われ、江戸では河東節、長唄、常磐津など。

人形劇や歌舞伎など舞台伴奏音楽としても浄瑠璃、唄ものは使用されてきている。
例えば「歌舞伎十八番、助六所縁江戸桜」では、
江戸で生まれ、今や300年の歴史を持つ河東節が使用されている。
この日、私が聴いた「安宅勧進帳」で演奏される長唄では浄瑠璃とが融合した、
音楽的には緻密でドラマチック、感動的なフィナーレを聴かせてくれた。

この日に聴いた河東節、義太夫節、地唄、長唄などは
普段聴く事がないので衝撃的でありました。
機会があればまたこういった伝統芸能に触れたいと思った次第でございます...。


はい映画。
「ツレがうつになりまして。」
うつ病にかかった夫と、彼を支える妻の若い夫婦の物語。
観終わったあとは温かい気持ちになれると思う。
主役の堺雅人も宮崎あおいも好演していると思う。
この病気の辛さ、深刻さだけを表現するのではなく
成長していくお互いの気持ちや夫婦愛が
最後までしっかり描かれているため全体に安心感がある。
音楽もクドくなくいいと思った。
精神病を題材にした作品にはハードなものもあるが
これはハートウォームでいい映画だと思う。
このご時世、メンタルの病気を抱えている人は多い。
自分の身近にもいる。
まだまだこの病気には理解が少ないと思うが
少しでも理解してもらうためにも多くの人に観てほしいなと。

あ、あと出演していた吹越満。
彼も患者役で出ていたけど良くなっていってほしい(映画の中の話ね)。

2011年10月1日土曜日

お久しぶり〜と「未来を生きる君たちへ」

実に一ヶ月以上も更新しておりませんでしたな...。
書くネタもいろいろあって何をどう書こうか、
などと思っているうちに放置になってしまいました。
ブログなんてのは気合い入れずに気楽に2、3行ほどでもいいんでしょうけどねえ。

さて9月の出来事をざっと書くと...
秋田で演奏、OSO(Big Band)のライブ、また秋田に帰ったり、静岡行ったり、台風すごかったり...

まずはなんといっても秋田で行なわれた、
秋田ミュージックフェスティバルに出演したことでしょうなあ〜。
jazzだけではなく、いろいろな音楽ジャンルの演奏が秋田市内中心部の各所で聴けるという
秋田では画期的なイベントの第一回目でした。

地方のジャズフェスティバルでよくあるのは
海外から、あるいは東京から有名どころだけを招いて行なうパターンがありますな。
これは地元にとって音楽の活性化には繋がらないしお金もかかり長続きしません。
この秋田でのイベントはジャズに限らない地元や他の東北からのアマチュアバンドや
秋田の中学、高校の吹奏楽(秋田はレベルも高く、ものすごく盛んです)が出演。
しかも入場料無料で誰もが聴く事のできるイベントでした。

昔は何かの宴席があればカラオケなんかなくても歌ッコの上手いオヤジがいて
民謡をみんなの手拍子で歌っていた。
どんな音楽でも身近なものです。
今回のイベントが続くことで秋田の音楽が、街が盛んになるようにお手伝いしたいです。

9月の他ネタはまたそのうち...。

はい映画。
「未来を生きる君たちへ」
アカデミー外国語賞を受賞したデンマーク映画。
人間の憎悪、暴力、復讐の連鎖をテーマにしている。
ストーリー展開に意外性はなく、なんとなく思った通りに流れていく。
でもこのテーマゆえ緊迫感ある展開が続く。
映画では暴力、復讐の虚しさをアフリカでのエピソードも加えて表現している。
殴られてもやり返さない、確かに重要な事だけど
この世の中、何もしないことでかえって増長する無知で愚かな世界もある。
そんなにウマくはいかないよなあ、と思いつつこの映画の世界に共感する。
なぜならこの映画、理想的な展開ばかりではなく、
それを実現する難しさも語っているから。
いい映画でした。お薦めしたいです。