2012年4月27日金曜日

酒とバラの日々と「アーティスト」

酒とバラの日々、と言ってもスタンダードナンバーの曲の話ではなく、
量の多い少ないはあれど、ここ一週間毎日飲んでるなあと。
(ちなみにバラは関係ない)

普段はだいたい週に5日飲むペースだからちょっと多いかな。
ところが猛者はどこにもいらっしゃるもんで、
齢90を越えようかという知人のご尊父はこの数十年ほぼ毎日飲んでらっしゃるとか。
でもこういうスーパーマンと私のようなモンを比べてはいけませんな。

飲む時気をつけることと言えば、コンディションの維持でしょうかね。
私どもの仕事は飲んで体調崩して仕事休んだらお金は入らない、
どころかヘタすりゃ今後そこから仕事なくなるおそれもありで...。
飲み過ぎに気をつけるのはもちろんですがなるべく水を取るようにしたり、
ツマミを取るようにしたりしてますな。
もっとも元来、口がイジキタナいのでツマミを取る方の心配はいりませんが。。
二日酔い防止にウコンやハイチオールCを飲む方もいらっしゃいますな。
そして自分が楽しいだけじゃなく一緒に飲んでいる人も楽しく、
周りに迷惑かけないのがオトナな飲みですな。

しかし、それでも年に何回は飲み過ぎる。。。
どうやって帰ってきたか覚えていない事もごくごくたまにありまして。。
そんなとき、どうやら私のクセらしいけど
着ている服をものすごくきれいにたたんで寝る。
ホントいい年こいて懲りないよね〜。

はい映画。
「アーティスト」
アカデミー賞5部門を受賞した話題の映画。
新鮮ですごく楽しかったです。
白黒のサイレント映画だけどセリフの字幕も昔風に出てくる。
これがしつこくなくてとてもよかった。
ストーリーはサイレント映画だけに単純明快。これ大切。
自身の余計なプライドや信念のせいで新しい事に取り組めない。
しかし自分を心から慕ってくれる人のおかげで
古い自分を完全に捨て去る事なく次のステップへ踏み出していく。
次のステップへの柔軟な対応力と考え方。参考になります。
登場する人物たちはみな善良。愛のある映画で後味もよく安心して観れる。
物語のシンプルさだけではなく役者の表情やカメラワークにも工夫があったように思う。
サイレント映画といってもストーリーに合わせた音楽がほとんどずーっと流れている。
バリエーションに富んだ音楽で飽きさせない。
音楽がとまると完全に無音。緊迫感あります。
実際の効果音もオイシく使われているのでぜひ観てみてほしい。
犬の演技もたいしたもんでした。

2012年4月20日金曜日

雪国の人は傘をささないと「ヘルプ〜心がつなぐストーリー〜」

先月、秋田に帰ったとき雨の一日があったのですが
ほとんど誰も傘をさして歩く人がいない。

もちろん冬の時期、雪が降った時に傘をさすことはないけど
雨の日でもそうだったか〜、と思った次第でございます。
まあ雨の強さにもよるのでしょうが
チョットやそこらの雨では傘をささずに歩いてますなあ。
傘をさすって行為になにか不自然なものを感じるのかな?
かく言うワタスも秋田にいたころは軽い雨では傘をささずにいた様な気がする。

そのかわり、長靴を履く率は上がると思う。
長靴(ゴム長靴ね)は雪国ではデフォルトのギヤとして老若男女に親しまれている。
冬はヘタすりゃ礼服を着るような結婚式の披露宴にだって履いて行く。
だから雨の日に玄関から外にでるとき自然と足がゴム長に吸い込まれるのかも?

都内に住んでいると西洋人の方たちを普通にお見かけしますが
雨の日に傘をささずに歩いていらっしゃる方が多くいますな。
やはり慣れ、なんでしょうかね??
でもゴム長は履いていないですが...。

はい映画。
「ヘルプ〜心がつなぐストーリー〜」
1960年代のアメリカミシシッピー州ジャクソンを舞台に、人種差別問題を描いた映画。
と書くと重そうなストーリーかと思うけど、コミカルで柔らかくハートフルに描いている。
白人家庭で働く黒人メイドたちの声を取り上げ、本にしようとする白人女性の奮闘記。
黒人への人種差別だけを取り上げているだけではなく、
この映画で重要なのは同じ白人でありながら裕福な男性と結婚した
貧困層の女性への差別も描かれている点。
差別って人種だけの違いからくる問題ではないと言ってるのが
一方向的じゃない映画になっていて好感持てました。
裕福な白人家庭の奥様たちが着ている衣装がカラフルでキレイなのに対して、
黒人メイドたちが着る服はどれも地味で同じものばかり。
黒人女優たちの心痛をあらわす繊細な演技がより際立ちます。
一方、カラフルな服を着ている人たちはその服の美しさが逆に空々しく思える。
私が勝手に思う事だけど、凝っているなあと思いました。
いい俳優陣によるいい映画だと思います。
黒人メイド役で出ている、オクタビア・スペンサーが
アカデミー助演女優賞をとった映画でもあります。


2012年4月14日土曜日

鶏の唐揚げと「スーパー・チューズデー〜正義を売った日〜」

唐揚げでも空揚げでも表記はどちらでもいいようです。
で、唐揚げと竜田揚げの違いについては
概ね決着がついているようなのでここでは述べません。
何が言いたいかというと、唐揚げはご飯のオカズにはならない、です。

つい先日、秋田市の某所で鶏の唐揚げ定食をいただきやした。
唐揚げ自体は美味しいのですがそれをオカズにしようとするとご飯がすすまない。
オカズには、ご飯がすすむためにしっかりした味付け、あるいは汁気が必要ではないかと。
だからといってカラッと揚がった唐揚げに、
醤油だソースだかけるのは野暮ってもんでしょう。
ま、とにかく例えばですが、
KFCをオカズにしてご飯を食べる、なんて人はそうそういないはず。
お目にかかったことはございません。いない事を希望します。

これが醤油などでしっかり味のついた竜田揚げならまだご飯もすすむかもですが、
残念ながらここんとこそれを確かめる機会がありやせん。
唐揚げがもし食卓にあったらご飯がすすむための何かもう一品が必要なんではないかと。
そして唐揚げが合うのは、やっぱりビールかも〜と思った次第でございます。

はい映画。
「スーパー・チューズデー〜正義を売った日〜」
〜正義を売った日〜ってのは余計だよなあ。
イメージを固定化させるし、タイトルが長くなる。
ジョージ・クルーニーが監督で
前回書いた「ドライブ」の主役、ライアン・ゴズリングがここでも主演。
民主党大統領候補者選びを戦う政治家と選挙スタッフの物語。
登場人物のほぼ全員がエゴにまみれている。
その裏表の表情がスゴくいい。
さすが素晴らしい役者ばかり出演の映画です。
この人たちの演技だけでも楽しいし引き込まれます。
でもエンターテイメントとしては何か物足りない気がする。
腹に一物抱えた者たちの緊迫感や表情をリアルに表現しようとしているからなのかな。


2012年4月8日日曜日

やっと桜の季節と「ドライブ」

四月に入って一週間経とうかというころ、やっと桜の花の季節をむかえます。
いいもんですな、桜ってのは。
夜桜見物も雰囲気があり好きですが、
白っぽいライトに照らされている桜は何色なんだか、ちーともわかりません。
薄いピンク、桜色が映えるライトだといいですな。

あまりに美しい桜を観てその樹の下には屍体が埋まっている、
と思わないと精神の平安が保てないという作品を書いた作家がいます。
繊細でワイルド、カミソリ的な文章でした。
チョイとひねくれた作品ですが共感をおぼえる作品ですな。
自分より優れた、秀でた物への憧憬が劣等感に変わる時
こんな風にネガティブな発想をするのかもです。
生き物すべては表面的な美しさが全てではありませんからな。
私もいい年こいてるくせに物わかりのいい事は言えませんで、
この作品(梶井基次郎の櫻の木の下には)にどこか納得するのでございます。

はい映画。
「ドライブ」
カンヌ映画祭の監督賞を取ったという作品。
ナントカ賞作品と謳った映画の中には「え〜そうか〜」ってのもありますが
これは受賞するにふさわしいと思える作品でした。

どことなく影のある映像は、
登場人物やそれぞれの物語にある暗さを表しているようです。
明るい日差しの中のシーンでさえ何となく影を感じます。
主役のセリフや表情が少ない中、
それで魅せようって演技がかえって映画をソリッドに仕立てている。
この若い主役、ライアン・ゴズリングはこれからも注目でしょうなあ。
謎めいた主人公が繰り広げるバイオレンスたっぷりのハードボイルド映画です。
それだけではなく、頽廃した中に主人公が見つけた、ただ一つ信じた愛もあります。
その相手を演じた女優がキャリー・マリガン。
この人も注目すべき女優さんだと思います。(単純に私が好きなだけだけど)
カーアクションもありますがそんなスゴくはない。
この映画の全体に漂うの空気感が良いのかな。

2012年4月4日水曜日

春の嵐と「マーガレット・サッチャー鉄の女の涙」

今日の嵐、スゴかったなあ。
差していた傘が崩壊しました。

春の嵐、といえばヘッセですかな。
中学の頃、ハマったなあ。
こういった思春期のころヘッセを読んだって人も多いと思いますがまた読みたくなった。
でもここ数年、活字を読むのが苦手になりほとんど本を読んでいない。
購入したipadで電子書籍をたまに読んだりしているが長続きしない。
まあ活字に対するリハビリと思えばいいか...。

さて新年度です。
相変わらずカゼひきのままです。
先週と症状が変わってきたので
近所の内科でそれに合わせて再びお薬を処方していただきやした。
薬を飲んでいるので悲しいかな最近お酒を控えております。
治ったらガッツリ飲みたいもんですな。

あ、あと演奏する際、鼻水がたれて、ってことはありませんが
息を吸ったときに思わず「げほげほげほうーげほげほ」と咳き込むことがたまーにあり、
それはさすがにオッサンくさく情けない思いをしてしまいますな。
お客さんもクスっと笑ってくれたらまだしも、あのオジさん大丈夫?
みたいに見られるといたたまれない気持ちにもなり...。
あー、早く治そう!

はい映画。
「マーガレット・サッチャー鉄の女の涙」
なんじゃこの長ったらしいタイトルは!
原題は「The Iron Lady」だから「鉄の女」でええじゃないか。
と、観る前から映画にツッコミを入れていたのだが
サッチャー役のメリル・ストリープの素晴らしい演技に魅了させられた。
映画には物語とその物語から構築される主張が必要だと思う。
でないと実在の人物を扱う映画はヘタをしたら報道番組になってしまう。
この映画にはサッチャーが政治家として第一線にいたころの強さとそれに隠れた孤独感、
家族との関係そして引退後の苦しみが描かれていて
それらをメリル・ストリープが素晴らしい表現力で演じている。
さらにサッチャーの夫役、
ジム・ブロードベントも観ていてイライラするくらい素晴らしい。
この人、ハリーポッターシリーズで大事な役も演じている。